ぼくは夢を滅多に見ない。
夢の中で友人から伝えられる。
「渡しそびれていたものがある」
そうして、「折り紙カメラ」を受け取った。
折り紙カメラには、何やら文字が書いてあった。
ぼくは広げてみた。
「あした発ちます。たのしかった。」
見覚えのある、癖文字だ。
ぼくは夢の中で声をあげて泣き出した。
そこで、目がさめる。
実際に涙を流していたし、
目がさめても止めることができなかった。
酷い事に、彼女が誰なのかを特定できないのだ。
未熟なぼくは
好意を受ける事を当然とし、
行為をすることを疎かにする。
朝陽が赤い。